超高齢妊婦の妊娠において注意が必要なこと
- 2019/02/02
- 12:25
35歳以降の出産が「高齢出産」と呼ばれている。
ただ、その年齢を大きくすぎてから出産するケースも見られます。
近年の女性のライフスタイルの変化にともない、
平成27年度の厚労省の報告では、40-44歳での出生数が約5.2%、45-49歳での出生数が0.1%を占めており、
5年前、10年前との比較では明らかに増加傾向にあります。
このような背景は欧米でも同様で、
今後も増加していく可能性があるとのこと。

母体年齢が高くなるほど、妊娠合併症のリスクは高くなった。
具体的には
(1)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、
「妊娠高血圧腎症」(旧:妊娠中毒症)になるリスクが1.90倍高い。
妊娠高血圧腎症とは、タンパク尿を伴う血圧の上昇により、
突然けいれんを起こすことがあり、緊急帝王切開を行なう場合もある。
(2)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「前置胎盤」になるリスクが2.19倍高い。
胎盤は、母体と胎児をつなぐ血液・酸素・栄養のとても豊富な組織。
前置胎盤は、その胎盤が胎児よりも子宮の出口付近に位置するため、
ほぼ100%帝王切開になる危険性の高い妊娠だ。
(3)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、
「帝王切開」になるリスクが1.71倍高い。
(4)早産・未熟児出生のリスクは母体の年齢が高いほど上昇するが、
45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、それぞれ1.22倍、1.18倍と、それほど高くなかった。
また、死産や胎児死亡のリスクは、母体の年齢が高くなっても影響はなかった。
つまり、生まれてくる赤ちゃんの予後(健康度)に関しては、高齢出産による影響は小さい。
(5)高齢出産のリスクは、妊娠方法や妊娠経験によって異なる。
たとえば、帝王切開のリスクは初産だと、年齢が高くなるほど上昇するが、
経産婦では変化はみられなかった。
こうした結果から、研究チームの森崎菜穂・社会医学研究部室長らは、
発表資料の中でこうアドバイスしている。
「高齢出産、特に45歳以上の妊娠では母体合併症のリスクが高くなり、
帝王出産が増加することがわかりました。
また、妊娠経験の有無によって影響が異なることも同時に明らかになりました。
一方、子どもの健康に関しては、未熟児出生などのリスクは高くなりますが、
その影響は小さく、死産・胎児死亡のリスクも認められませんでした。
45歳以上の妊婦は、合併症のリスクが高まることに十分留意して
母体を管理することが大切です。
また、この研究では胎児の形態異常を除いていますから、
解釈には注意が必要です。よく主治医と相談してください」
40代以降の出産を目指す場合、特に
日頃からの体調管理が重要、と言えます。
参考ページ
45歳以上「超高齢出産」の実態を初調査 合併症リスクは高く注意深い管理が必要
日本における超高齢妊婦の妊娠予後を検証
ただ、その年齢を大きくすぎてから出産するケースも見られます。
近年の女性のライフスタイルの変化にともない、
平成27年度の厚労省の報告では、40-44歳での出生数が約5.2%、45-49歳での出生数が0.1%を占めており、
5年前、10年前との比較では明らかに増加傾向にあります。
このような背景は欧米でも同様で、
今後も増加していく可能性があるとのこと。

母体年齢が高くなるほど、妊娠合併症のリスクは高くなった。
具体的には
(1)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、
「妊娠高血圧腎症」(旧:妊娠中毒症)になるリスクが1.90倍高い。
妊娠高血圧腎症とは、タンパク尿を伴う血圧の上昇により、
突然けいれんを起こすことがあり、緊急帝王切開を行なう場合もある。
(2)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「前置胎盤」になるリスクが2.19倍高い。
胎盤は、母体と胎児をつなぐ血液・酸素・栄養のとても豊富な組織。
前置胎盤は、その胎盤が胎児よりも子宮の出口付近に位置するため、
ほぼ100%帝王切開になる危険性の高い妊娠だ。
(3)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、
「帝王切開」になるリスクが1.71倍高い。
(4)早産・未熟児出生のリスクは母体の年齢が高いほど上昇するが、
45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、それぞれ1.22倍、1.18倍と、それほど高くなかった。
また、死産や胎児死亡のリスクは、母体の年齢が高くなっても影響はなかった。
つまり、生まれてくる赤ちゃんの予後(健康度)に関しては、高齢出産による影響は小さい。
(5)高齢出産のリスクは、妊娠方法や妊娠経験によって異なる。
たとえば、帝王切開のリスクは初産だと、年齢が高くなるほど上昇するが、
経産婦では変化はみられなかった。
こうした結果から、研究チームの森崎菜穂・社会医学研究部室長らは、
発表資料の中でこうアドバイスしている。
「高齢出産、特に45歳以上の妊娠では母体合併症のリスクが高くなり、
帝王出産が増加することがわかりました。
また、妊娠経験の有無によって影響が異なることも同時に明らかになりました。
一方、子どもの健康に関しては、未熟児出生などのリスクは高くなりますが、
その影響は小さく、死産・胎児死亡のリスクも認められませんでした。
45歳以上の妊婦は、合併症のリスクが高まることに十分留意して
母体を管理することが大切です。
また、この研究では胎児の形態異常を除いていますから、
解釈には注意が必要です。よく主治医と相談してください」
40代以降の出産を目指す場合、特に
日頃からの体調管理が重要、と言えます。
参考ページ
45歳以上「超高齢出産」の実態を初調査 合併症リスクは高く注意深い管理が必要
日本における超高齢妊婦の妊娠予後を検証
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